こんにちは。音楽大好き!音もだち(^^♪の「ぽろん」です。
先日、地元のFM局で初めてのラジオ収録をしてきました。
ドキドキで迎えたこの日、あることがきっかけで気持ちの変化を感じました。
それは演奏者にとってとても大切なこと。
演奏する機会がある方に是非読んでほしい記事です。
今回の演奏の目的
現在はまさにコロナ渦で(2020年)音楽家のみなさんの演奏の場がなくなっています。
感染リスクを考え、ホールの使用ができないのです。
それでも少しずつ日常を取り戻すべく、収容人数を減らしての演奏会も開催されてきていますが、元のような形になるにはまだまだのようです。
しかもダメージを受けているのは音楽家だけではありません。
あらゆる人が経験したことがないストレスを抱えて生活をしている現在、今だからこそ「音楽」が必要なのではないかと思うのです。
そんなことを友人と語り合う中、私たちは音楽の癒しの力をかりてボランティア演奏をすることにしました。
詳しい経緯は以下の記事をお読みいただければと思います。
こじんまりとたたずむラジオ局
ひょんなことから決まったラジオ出演。
いよいよ収録日がやってきました。
今回ご縁があったのは、隣の市で運営しているFM局です。
独立した建物とはいえラジオ局以外の団体も入っているそうで、思ったよりこじんまりとしたスペースで運営されていました。
ステキな女性と会いました
私たちの番組の担当は女性のパーソナリティの方でした。(Mさんとお呼びしますね)
生まれも育った場所も私と変わらないのに、とても聞きやすい言葉とイントネーション。
さすが!と感心しながら少々雑談を楽しみました。
初めて見るスタジオは意外なほど狭かった
このFM局は、一人で収録するための狭い部屋(3畳位かな?)とメインの放送室(4畳半位)のほか、音響調節の部屋の3部屋を使って放送をしていました。
とにかく「狭い」という印象です。
ラジオ局というと完全防音のしっかりとしたスペースを想像していましたが、なんとガラス張りなんです。(あ~写真が撮れなかったのが悔やまれます)
実はこの窓から見えるのが市役所で、災害時の緊急放送をするときには実際に目で確認しながら情報を流せるというのが利点でもあるようですが、生放送中に外の音が思いっきり聞こえるのが難点でもあるようです。
このこじんまりとした雰囲気、ローカル度がありほんわかする場所でしたよ。
収録は別の場所で
もちろんのことなんですが、ラジオ局にピアノなどありません。
電子ピアノを持ち込むのもありでしたが、担当のMさんが大の音楽好きで自宅がちょっとしたサロンになっているということで、録音はMさん宅に行かせていただきました。
こちらの写真も撮れなかったのが残念ですが、元々はキャンピングカーを製造する(旦那さんの仕事)スペースをサロン風にリフォームされたということで、グランドピアノを置いてもまだまだ広い素敵な部屋で録音が行われました。
アットホームなお部屋の雰囲気のおかげでしょうか、あまり緊張せずに弾けた気がします。
曲の解説でイメージが膨らむ
今回は全部で7曲を用意していきました。
演奏の途中でインタビューを受けながら進めることになっていたので、何を聞かれてもいいように私たちも曲の情報を準備していきました。
その流れで曲の紹介は全てパーソナリティでもあるMさんがしてくれたのですが、とにかく情報量がすごい!
プロですから当然のことなのかもしれませんが、いろんな角度で曲を調べてくださっていました。
ハナミズキで気づいたこと
これは私の失敗談でもあるのですが、「ハナミズキ」についての紹介で思ったこと。
作曲したマシコタツロウさんが私と同県人ということで、私はそれにまつわるエピソードを用意しただけで、あろうことかハナミズキの曲の背景を知らないままだったのです。
ハナミズキは、アメリカの同時多発テロの時にニューヨークにいた友人からのメールをきっかけに、この曲を歌っている一青窈さんが1週間ほどで詞を書き上げたものだそうです。
一青窈さん本人も「君と好きな人が百年続きますように」の言葉にたどり着いたのは不思議だという紹介を聞き、音符ばかりを追っていた自分を反省しました。
もっと歌詞に込められた想いを知っていたら、弾き方が変わったはず。
極端に言うと、楽譜を見て弾ける人は音符を並べれば曲になってしまうのです。
特に今回は二人で演奏するので、タイミングや音を合わせることに集中していました。
もちろんそれも大切なことなんですが、「歌」には「詞」がありますから、ハナミズキはその「歌詞」を知ることも重要ポイントです。
本番で知るなんて言語道断!
今後こんなことがないようにしなくては…と反省した曲です。
さとうきび畑のエピソードで心がズンとなった
またまた失敗の続きになってしまうのですが…。
森山良子さんが歌う「ざわわ…」で有名なあの曲を、私はさとうきびが揺れる音や風、波の音のイメージとしかとらえていませんでした。
Mさんが曲の紹介で語ってくださったのはこんな内容です。
歌の主人公はひとりの少女。沖縄の戦闘で亡くなった父の顔を知りません。やがて大きくなった少女は父親を探しにひとりでさとうきび畑へ行きます。父はなぜ戦い、なぜ殺されたのか、何を恐れ自決したのか、通り抜ける風の音を聞きながら静かに哀しみを訴えている曲です。
このお話を聞いた流れでピアノを弾いた私の心には、ずっしりとした何かが刺さっていました。
そうして弾き始めたメロディーは、練習していた時のものとは明らかに違う音が鳴っていたのです。
気持ちの入り方が全く違うのを感じた瞬間です。
私の認識では全く足りない深い想いが詰まった曲…本当に反省しかありません。
詞があるならなおさらのこと、その意味を知って演奏することで相手に伝わるものが違うはず。
反省しつつ、今後はもっと丁寧に曲と向き合おうと決心した出来事でした。
放送の日
収録したものが気に入らない時は録り直せるとのことでしたが、何度も録り直したところで完璧はないし、集中して臨んだ1回目が一番いい場合が多いということも知っていた私たちは、この1発録りでOKということにしました。
その後、Mさん自らが編集をしてくださり、収録から3週間後に放送されることに。
そしていろんな年代の方が聴けるようにと、平日午前10時、土曜午後7時、祝日午前10時に「くつろぎの時間」として3回も枠を取ってくださいました。
ドキドキしながら聴いた1回目の放送は、恥ずかしくて自分の音しか聞こえてこない感じです。
ミスしたところがどんな風になっているか、本当に間違い探しのように聴いてしまいました。
こうして1回落ち込んだ後、迷ったのですが2回目の放送も聴いてみました。
するとどういうわけか1回目よりいい演奏に聞こえるのです。
前回と違ってフルートの音もよく聞こえるし、あまり変なところがないように思えたのも不思議。
早速フルートの彼女にも感想を聞いてみたら同じようなことを思っていて、結局
「耳が慣れたのね」
という結論に至り、
「はじめはひどい演奏に思ったけど案外大丈夫じゃん!」
と自画自賛の私たち…。
今回FM局とのご縁を作ってくださったフルートの生徒さん(FM局の偉い方みたいです)からも「とてもいい音で録れてますね」とのコメントをいただき、ひとまず安心。
でも、どちらかというと満足感を味わったのが本音かな…。
次回はあるのだろうか
今回は私たちの持ち込み企画のようになりましたが、それとは別に局側からもうひと枠の依頼がありました。
年末に予定していた放送枠がコロナのせいでポッカリと穴が空いてしまったそうです。
え~っ、コロナがこんなところにも影響を及ぼしているなんて!
実はここ数年、地域で募集した仲間で歌うベートーヴェンの「第9」を放送していたのですが、コロナの影響でその合唱団の設立も中止、当然「第9」も歌わないということで放送枠が空いてしまったとのこと。
そんなわけで私たちが今回演奏したものに数曲足して、年末にまた放送されることになりました。
さらに、年が明けてからも私たちの準備が整った時に、FMさんに声をかければまた収録の運びになるそうです。
こうして未来に演奏の機会をいただいてることは、本当に本当にうれしく思います。
まとめ
今回は自分の失敗から演奏する上で大切なことを再確認したお話と、3回に渡ってブログに綴ってきたFMラジオデビューの体験談をお伝えしました。
ここであらためて思うこと。
演奏者にとって「聴いてくれる人がいる」のは何よりもうれしくて、感謝しかないということです。
さらに「よかったよ」なんて言われたらうれしさ倍増!
単純だけど本当にそうなんです。
自分に完璧はないと思っていて、どこか自信が持てない私にとっては「上手」より「心に響いた」というニュアンスのコメントにうれしさを感じます。
以前にも触れましたが、目には見えない「音魂(おとだま)」が、ちゃんと演奏者と聴き手の間を取り持ってくれることを信じて、これからも心を込めた演奏を目指していこうと思います。
うん、やっぱり音楽は大好き!ぽろんでした。
よろしかったら、今回の関連記事も読んでいただけるとうれしいです。
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